リバプールのSDマイケル・エドワーズの紹介〜リバプールの補強の鍵を握るデータ分析のプロフェッショナル〜

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ヘンリー

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ヘンリーです。FSGやオーナーであるジョン・ヘンリー関連の記事を書いていこうと思っています。基本まったりとやっていきます。

お久しぶりです。ヘンリーです。

第6弾目の今回は現在、ファン・ダイク問題で図らずも表に出てきてしまった、リバプールのSDであるマイケル・エドワーズについて、エコーの記事を基に紹介しようと思います。今回の記事の流れとしてはエドワーズの略歴を紹介し、その後にFSGが最近行っているチーム運営における各部門の細分化を紹介します。

その後にまとめとして、ファン・ダイクの移籍交渉におけるFSGの対応に一つの疑問が浮かんだため、今回の記事内容を踏まえながら考察したいと思っています。

最後の考察に関しては、完全に個人的な主観や妄想が入ってしまっていますので、流し読みくらいで軽く読んで頂ければ嬉しいです。

では、始めます。

1エドワーズはどのようなキャリアを送ってきたのか

(トッテナムでエドワーズを重用した、レドナップ)

①略歴〜トッテナムまで〜

エドワーズはサウサンプトンで生まれました。彼はピーターバラ・ユナイテッドのユースチームに所属し、DFとしてプレイしながら、セミプロとしてプレイしています。それに並行して彼はシェフィールド大学に入学し、ビジネス管理と情報科学の学位を得ながらセミプロとしてのプレイを続けていました。

その後、2003年にポーツマスのハリー・レドナップのもとでアナリストとして雇われます。この背景としてはプレミア・リーグにおいて、データ解析会社である、Prozoneの利用が広まっており、それに着目したレドナップがProzoneのデータを使用したデータ分析をエドワーズに任せる形となりました。

エドワーズはデータアナリストとしてポーツマスで頭角を現していきます。他のデータアナリストとは違い、エドワーズ自身がセミプロとして実際にプレイしていたことが大きな要因を占めていたようです。その後、データ分析部門は拡大され、その分析部門の上位にエドワーズは名を連ねています。このタイミングで試合前と後でのデータ分析を担当するようになります。

2009年にエドワーズはポーツマスを離れ、トッテナムに活動の場を移します。そこで彼はエドワーズをリバプールへと引っ張ることとなる、ダミアン・コモリと出会います。その当時のトッテナムの監督はポーツマスの時と同様にレドナップであり、そこで新しく拡張されたデータ分析部門でポーツマスの時のようなデータ分析の役割を担っています。

そこで彼は、主に二つの役割を担当していたようで、対戦相手の分析(opposition analysis)と自チームのデータ分析を担当しています。

②リバプールへの移動

(左がエドワーズをリバプールへ連れてきたダミアン・コモリ)

2011年、エドワーズはFSGがリバプールを買収したタイミングでダミアン・コモリとともにリバプールへと籍を移します。

当時、彼は他のクラブでの役割と同様に、選手のパフォーマンス分析を担当しています。そのパフォーマンス分析のもと、トップチームとアカデミーの選手獲得等を進言する役割を担っていました。そして、ダルグリッシュから現在のクロップまで、選手補強に関する意見をデータ分析の観点から行っています。
このデータ分析に基づいた、選手補強の進言は一部の監督からは良く思われてはいなかったようで、広く知られているようにブレンダン・ロジャースが監督であった頃には選手補強に対する対立もありました。

ロジャースは以下のように述べています

Rodgers said: “For me coming in, I was always going to work with a team of people, rather than a director of football. I always think the manager is the technical director. He is the man who oversees the football development of the club, and I believe you should take on that responsibility when you are manager.”

ロジャースは次のように語った。「私がチームに入ってから、私はいつもサッカーのディレクターではなく、チームのメンバーと仕事をしていました。 私はいつも監督がテクニカルディレクターのような役割を担うものだと思っています。 彼はあくまでもクラブのサッカーの発展を監督する男であり、彼が監督であるときにその責任を負うべきだと私は信じています。」

つまり、ロジャースとしてはあくまでもチームを運用し、試合に挑むのは監督であるのだから、現場の意思にそった補強がされるべきであり、あくまでエドワーズはクラブ運営を管理する役割であると意見しています。このように、競技面でチームを運営するロジャースとしては選手補強において自分の意見が100パーセント通らないことに不満があったようです。

ロジャースの意見も一理あるため、クロップとの関係性は大丈夫なのかとも思ってしまいますが、今回参考としているリバプール・エコーの記事によるとクロップとエドワーズとの関係は比較的良好であるそうです。

このデータ分析を基づいて選手補強を行うという方法は、以前ヘンリーの記事に書いたようにデータ分析から既存の価値観よりも安く選手補強を行う「マネーボール」の方針と合致していることもあり、今後も重要視されると思われます。

③SDへの就任と彼の役割とは?

マイケル・エドワーズ:リバプール公式HPより

エコーの同様の記事では、SDに就任した彼の役割も紹介しています。一つ目にデータ分析とクロップの意見をもとに、トップチームとアカデミーにおいてどのような選手を取るかの方針を定め、それを踏まえて各スカウトを動かす役割。二つ目にクラブにおけるデータ分析部門すべてを統括し、それをチームに活かす役割です。

また、この記事によれば、エアーがまだリバプールにおいてCEOだった頃に移籍市場や選手の契約延長における交渉にエアーと共に同席していたと書かれています。そのため、SDに就任してからは選手補強などの交渉もエアーから引き継いでいると考えられます。

以上のように、エドワーズはクラブにおいてデータ分析の役割から出発し、アカデミーとトップチームを含めたリバプール全体のチーム運営をクロップの側で支える役割をしていることが見えてきたと思います。

次の章ではエドワーズ本人からは少し離れてしまいますが、FSGが推し進める各部門の細分化について少し触れたいと思います。

2FSGが推し進める各部門の細分化

新マーケティングディレクター Markus Breglec:リバプール公式HPより

このところ、FSGではこれまで前CEOのエアーが担ってきた部門を細分化し、それぞれの分野のプロフェッショナルに任せるという人事を行っています。

例えば、今までエアーが行ってきたCEOの役割を細分化した今回の人事が挙げられます。

また、マーケティング部門も同様の動きがあります

このように、FSGは前CEOのエアーが行ってきた役割を細分化し、各部門を引き継ぎ、もしくは新設し、各分野のプロフェッショナルに任せています。

ビリー・ホーガンに関しては別の記事で詳しく紹介しようと思いますが、もともとはFSG傘下のフェンウェイ・スポーツ・マネジメントでFSGのスポンサーとの交渉を行っていた人物です。

2012年にリバプールのチーフ・コマーシャル・オフィサーに任命され、ダンキン・ドーナツなどのスポンサーとの交渉を担当したマーケティングのプロフェッショナルと言える人材です。

今回の人事異動において、このチーフ・コマーシャル・オフィサーに加えてマネージングディレクターという新設された役割も担当することになっています。

このマネージングディレクターとはクラブのウェブサイトなどのデジタル・メディアを使ったマーケティングに関する役職であり、これまで担ってきた役割も含め、マーケティング全般を統括する役割であると言えます。

Markus Breglec(読み方が分からないため、そのまま英字とさせて頂きます)は、もともとは家電メーカーでシニアポジションを担ってきた人物であり、その後ナイキやアディダス、ソニーでブランド戦略を策定してきた経験を持つ、ブランド戦略のスペシャリストと言えます。

このように、リバプールではエアーがこれまで担ってきた役割を細分化する試みが行われていますが、同様の取り組みはレッドソックスでも行われています。

http://boston.redsox.mlb.com/team/front_office.jsp?c_id=bos

全てを並べると長くなってしまいますので、リンクを貼らせていただきますが、かなり細かく部門分けされています。
以上のようにFSGは、スポーツチーム運営における要素を細分化し、それぞれのプロフェッショナルに任せるという方針を押し進めています。

3 まとめ 〜ファン・ダイク問題から出た疑問点〜

 

今回のファン・ダイクの移籍交渉に関する問題で、これまで記事に書いてきたことを踏まえると、個人的に引っかかっている部分がありますので、最後に考察をしてまとめたいと思います。

これから書くことはあくまで「個人的な考察」のため、かなり根拠が弱いです。また、「おそらく」や「たぶん」等の推察にもとづいた表現も多くなっております。そのため軽い感じで読んで頂ければと思います。

今回、ファン・ダイクに関する移籍交渉でエドワーズが表に出て謝罪する事態となっておりますが、出ている情報を表面的に推察すると移籍交渉におけるエドワーズとムーアの「経験不足」が浮かんでくると思います。

上で書いてきたように、エドワーズが一番得意とするのは、あくまでも「データ分析による競技部門のサポートです」。そして以前の記事に書いているように、新CEOであるムーアはオンライン化やソフトウェア提供の交渉など「マーケティング面」に強みを持っています。

2章で書いたように、FSGは各部門の細分化を行っていますが、個人的には抜け落ちている「穴」があると思っています。それは「移籍市場におけるサッカー界特有の交渉面です」

おそらくエドワーズが引き継いでいると思われますが、前CEOのエアーとともに移籍市場における交渉を行っていたとはいえ、あくまでもエアーが中心で補佐がエドワーズという役割であり、それをいきなり全て任せるのはかなり無理があるではと思います。

とはいえ、今回の移籍交渉の停滞はエドワーズとムーアの「経験不足」に原因があるとするなら、その責任を取る形というのも十分にあり得ます。
先ほど述べた、引っかかっている部分というのはそこの部分なのですが、今現在、謝罪から1週間以上経ちましたが、エドワーズとムーアの立場に代わりはありませんし、偶然にも前CEOのエアーが空いている状態にあります。

「移籍交渉の経験不足」がその理由であるならば、移籍交渉におけるノウハウを充分に持っている人物(例えば、エアーや現ローマSDのモンチのような人物)に「移籍交渉専門の立場」を担ってもらい、エドワーズには競技部門のサポートに専念してもらえば良いのではと私は思っているのですが、現時点ではそういった動きも無い状況です。

以上のような状況から、また別の見方ができるのではないかと個人的に思います。
FSGは2人の移籍交渉における二人の経験不足を「穴として見ていないのでは」ということです。

FSGが行っている各部門の細分化という動きを踏まえると、エアーのような移籍市場に精通したプロフェッショナルに任せて「経験不足」という穴を埋めるという対応を行うのではと思っていましたが、現在のFSGの対応をみると最初からこの「移籍交渉で経験が無いこと」は織り込み済みなように感じます。

この点から、FSGは「移籍交渉における既存のノウハウをある程度切り捨てている」のではないかと感じ、「移籍市場での動きをあまり重視していない」のではと考えるに至りました。

正直、具体的にどんなやり方をしているのかということは全く分かりませんし、この考察の根拠は全くありませんので、考察というよりは「妄想」となってしまっています。
現段階ではクロップとムーア、エドワーズがどう動いているか全く分からない状況ですのでこの考察(というより妄想)も流し読みして頂ければと思います。

もう少し、エドワーズがトッテナムやリバプールでどのようにデータ分析を行ってきたのかを深く探りたかったですが、深く言及した記事を見つけられなかったため浅めの記事となってしまいました。読みにくい点等あったかと思いますが、最後までお読み頂きありがとうございます。

参考

マイケル・エドワーズ 略歴 リバプール・エコーより
http://www.liverpoolecho.co.uk/sport/football/football-news/michael-edwards-just-who-liverpools-12124673

マイケル・エドワーズとクロップ デイリーメールによる記事①
http://www.dailymail.co.uk/sport/football/article-3904986/Liverpool-promoted-Michael-Edwards-Sporting-Director-does-mean-Jurgen-Klopp-stars-arriving-Anfield.html

マイケル・エドワーズ小記事 リバプール・エコーより
http://www.liverpoolecho.co.uk/sport/football/football-news/michael-edwards-just-who-liverpools-12124673

The drum.com によるビリー・ホーガンの紹介
http://www.thedrum.com/news/2017/02/03/liverpool-fc-promotes-commercial-director-billy-hogan-managing-director-clubs-chief

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